my bookshelf

本の感想保管庫

本の世界にどっぷりと浸りたい人におすすめとりあえず5選

 

まず読書タイムが合間合間でしか取れないときには絶対に読まないでください。

数ページ読み始めると凄く引き込まれてしまう、そんな5冊です。

 

1)とにかく続きが気になってページを捲る手が止まらない1冊

 

イノセント・デイズ (新潮文庫)

イノセント・デイズ (新潮文庫)

 

なぜ彼女は調停されなければならなかったのか。

どこで彼女の人生の歯車は狂ってしまったのか。

全ての真実を知ったとき、きっとあなたは深い谷底に落とされたような気分になるはずです・・・。

落とされた時に気づいてほしいのが、人の判断基準・思考性などはすべてその人の「環境的背景」が形成されているからということです。

結果主人公マイナスの掛け算を生み続けてしまいます。

”たった一つの光に早く出会えれば・・・。”

時に人生は早く行動をしなければ、得られない結果もあるのだと、生きていく強さというものを得られた1冊です。

 

2)人生のどこかで必ず出会ってほしい1冊

 

マチネの終わりに

マチネの終わりに

 

こんなにも切なくて、きれいな大人の恋愛物語があるのかと感動しました。

大人過ぎるが故に相手を思いやりすぎてしまい、大人過ぎるが故に素直になれず遠まわりしてしまう二人の物語です。

ただ、その遠回りは結果として二人には必要な期間だったのではないかと思います。

出てくる全ての登場人物にきっと共感する部分が絶対にあるはずです。

そのくらい著者の平野さんは人間の持つ独特な「やりきれないような感情」の表現の仕方がうまいなぁと感じました。

 

3)最初の1文がこんなにも効く小説に出会ったことがないです

 

悪意 (講談社文庫)

悪意 (講談社文庫)

 

 

3回くらいどんでん返しされました。

「え、それも違うの!」「え、結局違うの!!」きっと読む人全員が東野さんの掌の上でころころと転がされるでしょう。(笑)

そして最後に人間の深層心理を深くえぐられます。

えぐられるのですが、「いや、うん、人ってそうだわ・・・」と納得させられます。

終わったあとに叫びました。

東野さんの本はほとんど読みましたが、やはり天才だなぁと感動する1冊です。

 

4)大作です。その一言しか言えないです。

 

罪の声

罪の声

 

 

語彙力のない私が語るには本当に申し訳ないですが、一言「大作」それ以上も以下の言葉でも表せないです。

実際にあった「グリコ・森永事件」をモデルに書かれているのですが、焦点を事件に関わった子供に当てているところがこの大作の鍵と言えます。

ここまで綺麗な物語にしてしまえる著者にただただ、感動で、最後6ページは涙で文字が読めませんでした。

是非映画化してほしい1冊ですが、なかなか難しいんじゃないかなぁと思ってしまいます。

 

5) この物語の続きを作っていくのは私たち1人ひとりです

 

R帝国

R帝国

 

中村さんは恥ずかしながら教団X (集英社文庫)で出会ったのですが(実際に出会ったわけではありません)、それ以来中村ワールドにどが付くほどに惚れております。

今回のR帝国は「AI、ディープラーニング」のIT軸×第二次世界大戦から現代までの歴史的観点の国際政治×テロと、いったいいつ、こんなにこれからの私たちを考えなければいけないようなタイムリーな物語を、こんなにも奥深せながら書いたんだ!!と思わせるようなボリュームになっております。

 

”敵対する国同士が、ある分野では協力関係にあったり、国という概念が、下層はナショナリズムに狂っているが、実は上層では緩くなっている。”

(R帝国ページ144より引用)

これまさに、直近の話でもありますよね。

 

その他にも、登場する人々が歴史上の人物や今実際にいる方たちを匂わせており、まるで世界史と現代史が今ここで、絡みあって化学反応を起こしているような錯覚に陥ります。

 

最後の中村さんのメッセージまですべて読みこぼせない1冊です。

 

冒頭にも書きましたが時間がない時に読むのはお勧めしません(笑)

足が着かない沼にずぶずぶと入っていくように、とにかく引き込まれます。

一気に読み切ってその後もぜひ余韻に浸ってください。