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本の感想保管庫

女性作家が描く「女の恐さ」がわかる小説たち

お題「読書感想文」

小説からビジネス書まで、趣味である読書に毎月1万かけてしまう私がこの半年で読み終わって震えが止まらなかった本を4冊ご紹介。

今回は「女性作家さん×女性の登場人物」にフォーカスしてみました。

 

1)最初に注意しておきます。最後の5ページくらいまでイライラします(笑)

沼田まほかるさんの彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

つい最近蒼井優さん主演で映画にもなりました。

「彼女が名前を知らない鳥たち」の画像検索結果

とにかくこの主人公がくず。

というか出てくる登場人物みんなくずと言ってもいいかもしれない(笑)

忘れられない昔の男がいるけれども、一緒に住んでいる男もいる。

でもこの一緒に住んでいる陣治は嫌い。嫌いだけれどもいないといないでムカつく。

それである日クレームをつけた百貨店で出会った男と不倫関係が始まって・・・。

とにかく思考回路がカオス。

読みながらだんだんとイライラが溜まって来るんですが、本当に沼田さんが凄いと思ったのがそのイライラがぜーんぶ一瞬で消えてしまうラストを描いたこと。

過剰なリアクション無しに本気で読み終わったときに頭の中が真っ白になった作品に初めて出会いました。

 

2)これ以上の愛がある作品はないのではないかと思いました

1冊目に引き続き沼田まほかるさんのこれまた映画化された作品ユリゴコロ (双葉文庫)です。

 

主人公が4冊のノートを実家で発見するところから物語は始まります。

読み進んでいく内に自分には本当の母親がいて、しかもその本当の母親は‟数人を殺した殺人者”かもしれないという一つの仮説に辿りつきます。

‟人間らしい”感情を見つけるために人を殺めてきた1人の女性が、1人の男性と息子を愛する物語です。

とにかく泣きます。そして最後の結末に心がいっぱいになるはずです。

 

映画よりも、是非ともまず本から入ってほしい。(どれもそうかもしれないですが。)

そしてできればそこで止めておいてほしい(笑)

(映画観てないですが)口コミよるとやっぱり原作と少し違うようで、それも私としてはこの作品の一番大事なところが抜けてしまっているとのこと。。。

 

私個人としてはこの2冊で随分「沼田まほかる」さんという一人の作家さんに惚れこんでしまいました。

きっともう抜けられないです。

 

3)イニシエーションラブ再び。やっぱり女は恐い!(笑)

乾くるみさんのセカンド・ラブ (文春文庫)

読書好きの人なら恐らくイニシエーション・ラブ (文春文庫)を読んだことがある人が多いのでは?

前田のあっちゃんと松田翔太さんで映画もしていましたね。

 

イニシエーションラブは一旦置いておき、今回は2作目(?)のセカンドラブ。

お決まりですがやっぱり出てくる美人の小悪魔ちゃんにまんまと騙されるお話です(笑)

本当に簡単にあらすじを説明すると、「凄く清楚で世間の汚いものを見たことがないような誰が見ても美人な人は実は凄いあざとかった」という話です。

極端に見える話かもしれないですが、いや案外女の人ってここまで極端にキャラを演じ分けることができるもんです。はい。

「こわっ!」って思う半面、「いや、でも意外と近しい子はいるかもしれない」と女性陣は思うかもですね。

男性の皆様はお気をつけて!

 

4)ストーリーも面白いけど、マーケティング戦略も凄かった

SNSで話題殺到になっていた宿野かほるさんのルビンの壺が割れた

キャッチコピーがつけられないからSNSを通して募集を募ったのがきっかけで大ブームとなりました。

そしてなんといっても表紙の裏側。

応募されたキャッチコピーがずらり。

 

本自体は恐らく本が苦手な方でも2時間くらいあれば簡単に読めてしまうと思います。

というのも、この物語が昔の婚約者とのFacebookメッセンジャーでのやりとりで進んでいくので、本当にSNSを読んでいるような感じでライトに読めます。

 

最初は何故か結婚式直前で破綻になってしまった恋人同士だった二人が偶然Facebookを通して再開し、アラフィフの「同窓会」的なラブストーリーが始まるのか。

と思うのですが、途中から凄く‟違和感”を感じ始めます。

あれ?なんか話が食い違うし、この人たちは情緒不安定なのか⁉と。

それが種明かしをされ、これまでの違和感を振り返ってみると、さーっと血の気が引きます(笑)

ヘビーユーザーの私が言うのもあれですが、この本を読むと写真を挙げるのがちょっと恐くなります。

 

 4冊というなかなかのキリの悪さですが一旦ここまでで。